茶々の里

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おたから


     茶々は、くつろいでいる。
     冬のあいだ、開かずの間だった部屋の扉が開けられて、
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                        暖かな夕暮れの時間、夕陽射すその部屋に入り、
                        茶々の指定席のソファで、なにか話したそうにわたしを見る。




    茶 「気になるなぁ、この箱の中にはなにが入ってるの?」
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                      これは、お正月の帰省で持ってきた箱、父のお宝が入っている。




    茶 「パパちゃんのお宝って?」
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                                      視線で、はやくひらいて見せてという。



  箱には、フィルムで写す一眼レフのカメラが二台と、
  おびただしい数のレンズがはいっている。
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                            そっと取り出して、「店開き」。 茶々は目を見張る。
                            
                                        なにしろ、この画像に入りきれない。
                                        カメラはニコンで
                                        レンズはニコンほか、シグマやタムロン。
                                        すこし長いのが一本。
                                        オールマイティなのがあったり、
                                        いわゆる標準、やや広角・・・・。
                                        マクロにいたっては、3個もある。


   

                            父はよくなる病気ではない。
                              現状維持で精一杯。
                                  そして
                         父は、もう写真を撮ることができない。
                            大好きだったことができない。


                              わたしは今、こうして、
                                 父の宝物を
                       よい状況で保管してあげることしかできない。

                              

                             今はそれでいいと思う。


                           いつか、ニコンのD90クラス、
                       古いレンズも付けられるカメラを手に入れて、
                             
                             いろいろ撮ってみたいと
                                思っているだけ
                                    で
                                  たのしい。




   茶々は、一度、父にポートレートを撮られたことがある。
   たぶん、中央に写ってるカメラで撮られていた。

   陽射しがゆるくはいっていた午前に、
   茶々が、すまして、むこうをみていた横顔の写真。
   写真はプリントしてもらって、わたしの宝物になっている。
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                        時代がデジタル全盛になる直前に病に伏した父。
                        わたしがイチデジの一台目を手に入れるとき、
                        カンタンな相談にのってもらえるくらいは元気だった。
                        そのあたりから、どんどん悪くなった。

                        父と同じようなスタンスで、写真に取り組めはしないけれど、
                        もっと春が進んだら、
                        いたるところで、たくさんお花を写すことになると思う。
                        父の「お花」の写真を、
                        ただ見てきたことにインスパイアされているわたし。
                        それが宝でもあるから。



                        今年、またひとつ、あたらしい一眼を、ちいさな軽い一眼を、
                        もうすぐくる誕生日のお祝いにセルフプレゼント。
                        そして、そのカメラで、
                        はじめて撮ったのが、父の宝物たちと、
                        わたしの宝、茶々である。
                        ずっと大切にすると決めてる「おたから」たち。
by oak412 | 2010-04-08 21:38 | 日々のこと