朝起きたら、どしゃ降りでした。
10月のはじまりは、雨。
大好きな詩人 北園克衛さんの もっとも好きな作品(詩)の季節がきました。
「十月のノクタアン」
つひに意味なく秋でした
ぺイヴメントにアパアトの窓に
プラタナスの葉は散るだらうか
タイプライタアのやうな音をたてて
あ
口笛を吹かう
過ぎた日の美しい恋が貝殻なら
壊れた貝殻は何の諷刺だらう
雲が飛ぶ
月がちぎれる
電車がヴァイオリンの真似をする
フォトは九月半ばのもの。
こんなふうに。
風のふくまま、気のむくまま。
ぼちぼちと。
かろやかに。
そんな気分ですごしたい10月です。
同じく、北園克衛さんの詩。
わたしには、いつの「秋」も、この詩がみずみずしく染みいるのです。
「秋のスピイド」
落葉が頬にちつてくる
プラタナスの道のゆきかへり
僕はふと上空を見た
一台の郵便機が虹の弧を描いて
街を去つていく
友よ
ただ何となくマカロニイを食べよう
この夕暮れの水いろのひととき